【発掘・過去の通信】足の裏をコロコロしたら、なぜ肩が軽くなるのか

こんにちは、探求ラボ管理人です。

今回ご紹介するのは「らふぉんて通信(2016年9月号)」です。まだ暑さが残りながらも、少しずつ過ごしやすい日が増えてくる、あの季節。通信には「足元と身体の整え方」「テニスボールリリース後の変化」「チネイザン」と、3つのコーナーが並んでいました。書き手も複数いて、スタジオ全体で作っていた雰囲気が伝わってきます。

◆「足を整える」から始めてみる

9月号の通信を読み返していて、ひとつ気づいたことがあります。

身体の不調を訴える方の足元を見ると、ハイヒールやかかとのすり減った靴を履いていることが多い。足のアーチが崩れると、そのしわ寄せは膝・股関節・腰へと上へ上へと伝わっていきます。

当時の通信にも「身体を整えるには、足を整えることがとても大切」という趣旨のことが書かれていました。シンプルな言葉ですが、機能解剖的にもその通りで、足部のアーチは全身の荷重を支える「土台」です。

お気に入りのスニーカーで出かける日を、少しだけ増やしてみる。それだけでも身体への積み重ねは変わってくるかもしれません。ヒールを履く日は、帰宅後のテニスボールリリースをお忘れなく。

◆10年前のインストラクターの言葉:「テニスボールリリースをしたら、何を感じますか?」

気づきのヒントコーナーには、こんな実験が提案されていました。

「足の裏をコロコロしたら足の裏が緩む。股関節をしたら股関節が動きやすくなる。肩関節をしたら腕が軽くなる。……だけではないんです! 足の裏をしたら、ロールアップ&ロールダウンをしてみてください。股関節をしたら、ロールアップ&ロールダウンをしてみてください。肩関節をしたら、ロールアップ&ロールダウンをしてみてください。何を感じましたか? 正解はありません。日によって違うかもしれません。ご自身だけの感覚を見つけたら、ぜひ教えてください。」

 

◆ラボ管理人’s Eye:「足の裏→肩が軽くなる」のは、なぜか

この「だけではないんです!!!」という部分、初めて読んだとき思わず二度見しました。足の裏をほぐしたら、なぜ肩が軽くなるのか。感覚的には不思議ですが、機能解剖の視点から考えると、筋膜と神経系の2つの経路で説明できます。

まず筋膜の話。私たちの身体は、筋肉を包む「筋膜」という薄い膜が全身をつながるスーツのように覆っています。特に足の裏の筋膜(足底筋膜)は、ふくらはぎ、ハムストリングス、背中、肩と、背面を一本の線でつながる「スーパーフィシャル・バックライン」という経路でつながっています。足の裏をほぐすと、この経路全体の張力が変化し、遠く離れた肩にまで影響が出るのは、解剖学的にも自然なことです。

次に神経系。テニスボールで足の裏を刺激すると、皮膚や筋肉の中にある「固有受容器」(自分の身体の位置や力を感じるセンサー)が活性化されます。このセンサーからの情報が脳に届くことで、身体全体のポジショニングが微妙に修正され、無駄な緊張が抜けていく。その結果が「肩が軽い」という感覚につながっているのではないでしょうか。

そして「ロールアップ&ロールダウン」をリリース前後で試してみるというアイデアが良くて、これはいわば「自分の身体でやる比較実験」です。正解を教えるのではなく、感覚の変化に気づかせる。これがピラティス的な学び方だと思います。

◆チネイザンからのひとこと:「お腹が硬いと、脚の前が張る」

9月号のもうひとつのコーナーで、気になる話が書かれていました。この時期、レッスンで「腿の前が張っている」という方が増えるという観察です。その原因として、お腹…..つまり腸の疲れが関係しているという趣旨でした。

夏の暑さや湿気で消化器が疲れると、お腹周りが硬くなり、それが腿の前の張り感として出てくる、という見立てです。

機能解剖的にも納得できる話で、腸と脊柱・骨盤をつなぐ「腸腰筋」という筋肉が間に介在しています。腸が疲れてお腹周りが緊張すると、この腸腰筋が影響を受け、股関節の前面から腿の前へと張り感が波及することがあります。夏バテによる消化器の疲れが、脚の重だるさとして出てくる…..身体はどこもかしこも、つながっているものです。

足の裏をひとしきりコロコロしてから、ぬるめのお湯でお腹を温めてみる。そんな夜のルーティンを試してみてはいかがでしょうか。

ラボ管理人