【発掘・過去の通信】たかがイメージ、されどイメージ!ピラティスの効果を劇的に変える「脳の魔法」

こんにちは、探求ラボ管理人です。

スタジオの貴重なバックナンバーから、身体をアップデートする知恵を学ぶ「過去の通信発掘」シリーズ。今回は、2016年2月に発行されたレターをご紹介します。

まだまだ寒さが厳しい頃の2月ですが、当時の通信のテーマは「ピラティスをもっと効果的にする、いろいろなイメージ」についてでした。

「イメージを変えるだけで、身体の動きが変わるの?」と思う方もいるかもしれません。しかし、私たちの脳と身体は、想像以上に言葉のイメージに支配されています。

 

「たかがイメージ、されどイメージ」の科学

通信では、非常にわかりやすい例が挙げられていました。 たとえば、夏の暑い日に「川のせせらぎ」や「風鈴の音」を聴いたり想像したりするだけで、すっと涼しくなった経験はありませんか? 逆に、「今から氷水の中に全身をドボンと入れるイメージ」をしてみてください。それだけで、身体がギュッと硬くなり、呼吸が浅くなったり止まったりするはずです。

脳の中で思い描いたイメージは、自律神経や筋肉の緊張を瞬時に変化させます。ピラティスのレッスンでインストラクターが独特なキューイングを使うのは、この「脳の仕組み」を100%活用するためでもあります。

当時の通信で紹介されていた、ピラティスの質を劇的に高める「3つの基本イメージ」をおさらいしてみましょう。

  1. ショートフット(足裏の安定)

親指の付け根、小指の付け根、かかとの3点を意識し、そこから足の甲に向かって「テントを張る」ように土踏まずを引き上げるイメージ。

  1. 骨盤底筋の引き上げ

内ももの間に挟んだボールが、内ももの「ベルトコンベア」に乗って、ぐーっとお腹の奥へと引き上がっていくイメージ。

  1. 肩の安定

肩甲骨をアルファベットの「V」の字に見立てるイメージ。肩甲骨が「下がる・広がる・寄せる・上げる」という立体的な軌道を描くことで、首まわりの余計な力みが抜けます。

 

ラボ管理人’s Eye:なぜ「イメージ」をするとインナーマッスルが動くのか?

ここで、運動学習(モーターラーニング)の視点から、このイメージの重要性を少し深掘りしてみます。

運動指導の世界では、身体の動かし方を伝える際、次の2つのアプローチがあります。

  • 内部フォーカス(Internal Focus

「腹横筋を3センチ縮めて」「骨盤底筋群を上方に収縮させて」といった、自分の解剖学的な筋肉や関節に意識を向けさせる指示。

  • 外部フォーカス(External Focus

「ベルトコンベアのように引き上げて」「テントを張るように」といった、身体の外側にあるイメージや比喩に意識を向けさせる指示。

近年のスポーツ科学の研究では、外部フォーカスの方が、圧倒的に運動パフォーマンスが向上し、正しい動きを早く習得できることが分かっています。

たとえば「ショートフット(足裏の安定)」を行う際、「足の裏の筋肉を縮めて」と言われると、多くの人は足の指をギュッと丸めて床を掴む「間違った頑張り」をしてしまいます。これでは、本当に鍛えたい足裏のインナーアーチが潰れてしまいます。

しかし、「3点(親指の付け根・小指の付け根・かかと)を床につけたまま、テントの支柱を立てるように土踏まずを高くして」と言われると、脳は指を丸めることなく、純粋に足裏の「内在筋」だけを動かす最適な命令を神経系に送ることができるのです。解剖学的な正しい知識を、脳に「イメージ」を通して伝えることで、アウターマッスルの邪魔を取り除き、インナーマッスルを呼び覚ますことができます。

 

歴史のひとコマ:スタジオ2周年の足音

ちなみに、この2016年2月号の通信には、当時のスタジオが「2周年」を迎える感謝イベントの予告が掲載されていました。2014年3月30日に産声をあげたピラティススタジオ La fonteが、多くのお客様に支えられて2年間の歩みを刻んだ、まさに記念すべき手前の瞬間です。「レッスンの質向上のために勉強会にたくさん行ってきます!」という決意表明もあり、当時のひたむきな思いが今のスタジオの土台になっているのだと感慨深くなります。

 

今すぐできる2月の養生:濃いお味噌汁で胃腸を守る

最後に、通信の隅に書かれていた風邪・インフルエンザ予防のアドバイスを。

マスクや手洗い・うがいはもちろんですが、最も大切なのはやはり「胃腸を疲れさせないこと」。甘いものは少し控えて、身体の芯から温まる「あたたかい濃いめのお味噌汁」を飲むことが推奨されていました。

味噌に含まれる発酵のチカラは腸内環境を整え、冬の免疫力を底上げしてくれます。

レッスン中は、ぜひインストラクターが発する「言葉のイメージ」に身体を委ねてみてください。頭で考えるのをやめたとき、あなたの身体はしなやかに、本来の動きを取り戻すはずです。

ラボ管理人