【発掘・過去の通信】「丹田って大切なんだ」 力を抜いて、シャキッと立つ方法
こんにちは、探求ラボ管理人です。
今回ご紹介するのは「らふぉんて通信(2016年7月号)」です。冒頭には、こんな一文がありました。
「当たらないことを祈っていますが、今年の夏は猛暑になるようです。暑さでグターっと溶けてしまいそうなときほど、最小限の力でシャキッとしておきたいですね。」
10年前も、今と同じように猛暑を心配していたんだなと、例年の夏のしんどさ思い起こしました。
◆10年前のインストラクターの言葉:「シャキッと立つのに力はいりません」
「だから丹田って大切なんだ!」と、発見して感動したことがあります。ピラティスの基本でもある骨盤底筋を引き上げるや、目標のひとつでもある最小限の力で動くことにもつながります。鍵となるのは、股関節の位置と向きのイメージです。
→軽くスクワットをしてみましょう。
①普通の意識: まずは何も考えずに上に伸びる。
②股関節のイメージ: 股関節(脚の骨の付け根)から、エネルギーや水が上に流れるイメージをして伸びる。
軽く身体が伸ばされるのを感じられましたか?
◆ラボ管理人’s Eye:「イメージするだけで身体が変わる」のはなぜか
同じ「上に伸びる」という動作なのに、①は何も考えずに、②は股関節からエネルギーが流れるイメージをして行う。たったこれだけの違いで、感じ方がまったく変わる—これは、運動制御の分野でよく知られた現象です。
「外的フォーカス」と呼ばれる考え方があります。「筋肉を締めて」「腹筋に力を入れて」のように身体の内部に意識を向ける「内的フォーカス」よりも、「股関節から水が流れるように」といった身体の外側や動きのイメージに意識を向ける「外的フォーカス」の方が、実は運動のパフォーマンスが向上するという研究結果が数多く報告されています。
理由のひとつは、内的フォーカスだと特定の筋肉に意識が集中しすぎて、かえって身体全体の連動がぎこちなくなってしまうこと。一方、外的フォーカスは脳が自動的に必要な筋肉を選んで動員してくれるため、動きがスムーズかつ効率的になるのです。
そして丹田・骨盤底筋の話。骨盤底筋は骨盤の底にハンモックのように張られたインナーマッスルで、これを「引き上げる」意識を持つと、腹圧が高まり、体幹が自然と安定します。股関節から「エネルギーが上に流れる」というイメージは、感覚的な表現ではありますが、結果的にこの骨盤底筋と体幹の連動を引き出す、理にかなったキューイングだと言えそうです。
力を入れて頑張って立つのではなく、イメージひとつで最小限の力でシャキッと立つ。夏バテしそうな季節にこそ、試してみたい方法です。
◆お腹と感情のつながりについて
通信の裏面には、チネイザンについての回が続いていました。チネイザンとは、お腹への手当てを通じて心身を整えるケア法で、東洋の伝統的な考え方をベースにしているそうです。
その考え方によると、感情がうまく消化・発散されずにいると、内臓のあたりに滞りが生まれ、不調につながることがあるとされています。当時の通信では、五臓それぞれに対応する感情があるという東洋医学の考え方が紹介されていました。喜びのような一見ポジティブな感情も、行き過ぎれば体調を崩す一因になり得る、というのは興味深い視点です。
ネガティブに見える感情も、本来は自分を守るために湧き出てくるもの。お腹に触れて、今の自分が何を感じているかに気づくこと自体が、ケアの第一歩になるのだそうです。
暑さで消化器が疲れやすいこの季節、たまには自分のお腹にそっと手を当てて、今日の自分の調子を聞いてみる。そんな時間があってもいいのかもしれません。
ラボ管理人